透ける服を、夏だけの贅沢にしない。AMIRIのクロシェニットと大人のリゾート服
透ける服は、着る前より着る直前のほうが難しい。鏡の前で合わせてみると、思った以上にインナーが目立ったり、肌の見え方が気になったりする。モデルが着ている写真では軽やかに見えたのに、自分の普段着と組み合わせると急に落ち着かなくなることがある。クロシェ編みのトップスも、その一つだと思う。編み目の隙間が生み出す陰影はきれいだけれど、その美しさだけで買うと、着る機会が限られてしまうかもしれない。AMIRIの2026年ハイサマーコレクションを見て、私はまずそのことを考えた。メンズにはクロシェ編みのポロシャツ、ウィメンズにはテニスドレスやクロップド丈のポロシャツ、メッシュパンツまで揃う。砂漠のリゾート地、パームスプリングスに着想した服だけあって、開放的な雰囲気がある。ただ、私はこういう服を見たとき、旅行先で格好よく見えるかどうかより、普段どこまで自然に着られるかを考えたい。特別な一日にしか使えない服も悪くない。でも、せっかく気に入ったなら、もっと何度も着たいと思うからだ。
クロシェ編みには、普通のニットとは少し違う魅力がある。編み目の大きさや糸の太さによって表情が変わり、光が当たると内側の服や肌の色までデザインの一部になる。私はその曖昧なところが好きだ。服そのものだけでは完成せず、何を重ねるかによって印象が変わる。例えばメンズのクロシェポロなら、同系色のタンクトップを入れると少し落ち着いた雰囲気になるかもしれない。白いインナーなら編み目をはっきり見せることができるだろう。ただし、肌が透けるから涼しいとは簡単に言えない。糸の素材や編み地の厚みによって着心地は変わるし、インナーを重ねれば当然暑く感じる場合もある。今回の製品について具体的な素材混率は示されていないので、見た目だけで通気性や耐久性を判断することは避けたい。私は編み物の服を選ぶなら、まず肩の収まり方を見たい。少し重さのある編み地だと、着ているうちに縦へ伸びることもあるからだ。写真での美しさと、何度も着たあとの形が両立していてほしい。

ウィメンズのテニスドレスには、少し違う興味がある。テニスウェアを思わせるアクティブな形に、クロシェ編みの繊細な表情を加えるという組み合わせは面白い。ただ、私はそれを実際のスポーツウェアとして考えないほうがいいと思う。見た目にテニスらしさがあっても、運動に必要な伸縮性やサポート性、速乾性が備わっているとは限らないからだ。むしろ、スポーツウェアの軽快な雰囲気を取り入れた街着として楽しみたい。足元はスニーカーでもいいし、少し厚みのあるフラットサンダルでも似合いそうだ。上から薄いシャツを羽織れば、編み目の見え方を調整することもできる。私はこういう服を、リゾートだけで完結させたくない。日常の服と組み合わせたときに、少し新しい雰囲気が生まれるなら、それで十分だと思う。ただし、短い丈や透け感があるので、着用する場面は選ぶかもしれない。仕事へ着ていく服とは違うし、長時間歩く日の服として快適かどうかも確かめたい。デザインが好きだからこそ、無理のない使い方を見つけたい。
クロップド丈のポロシャツとメッシュパンツを合わせたセットアップは、今回の中でも少し大胆だ。上下に編み地の表情があるので、一度に着ると存在感が強くなる。モデルのスタイリングとしては魅力的でも、私はそのまま着るかどうか迷うと思う。上下を揃えた服装は、完成された一つの世界観を作りやすい。でも、普段の生活では少し頑張りすぎた印象になることもある。私ならクロップド丈のトップスを、まず無地のワイドパンツと合わせたい。メッシュパンツは、逆に少し長めのシャツやシンプルなトップスと組み合わせる。編み地の存在感を一か所に絞るだけで、着こなしはずっと自然になるはずだ。私はこのようなセットアップを見ると、上下を別々に使ったときにも好きでいられるかを考える。片方だけでは物足りなく感じるなら、購入してから着方が限定されるかもしれない。反対に、一枚でも十分に魅力があるなら、買う理由になる。コレクションの提案を全部そのまま取り入れなくても、服は楽しめると思う。
AMIRIの今回の色使いにも、少し考えさせられるものがある。スカイブルーやサニーイエローのような明るい色がありながら、ベージュやチョコレート、太陽で色あせたようなニュートラルカラーが中心に置かれている。私はこの配色が好きだ。夏の服は何となく白や明るいブルーを選びがちだけれど、乾いた茶色や少しくすんだベージュも、強い日差しの下では美しく見える。クロシェ編みのように素材に表情がある服なら、色を控えめにすることで編み地の陰影が際立つかもしれない。例えばチョコレートカラーのクロシェポロに、生成りのパンツを合わせる。足元は焦げ茶のレザーサンダルでいい。黄色を選ぶなら、黒いパンツよりも少し柔らかなグレーを合わせてみたい。私は色をたくさん使うより、色の明るさや素材の違いで変化をつけるほうが落ち着く。今回のAMIRIは華やかなリゾートコレクションでありながら、そうした控えめな着こなしにも使えそうな色が揃っている。そこは少し意外だった。
とはいえ、編み地の服ばかりに目を向けていたら、タオル地のアイテムも気になってきた。MAクワッド・モノグラムを配したパイル風の素材は、クロシェ編みとは正反対の印象を持つ。透け感を楽しむというより、柔らかな表面の質感を見せる服だ。メンズのクォータージップポロシャツは、リブ編みの襟があることで少し整った表情になる。ウィメンズには、ゴールドボタンを添えたミニ丈のシャツやショーツもあるという。私は実用性だけを考えるなら、こちらのほうが日常へ取り入れやすいかもしれないと思った。ただ、タオル地にも注意点はある。厚みのある生地なら真夏には暑く感じる場合があるし、毛羽立ちや引っかかりが気になることもある。モノグラムの柄も、実物で見たときにどの程度目立つのかによって印象が変わるだろう。普通のTシャツより少し特別な服が欲しい人には魅力的かもしれないが、扱いやすさを最優先する人には別の選択肢もある。私は今回の服を、素材の珍しさだけで買うのではなく、何度も着たいと思える形かどうかで判断したい。

似た雰囲気を持つ服としては、ミッソーニの編み地を生かしたウェアや、カサブランカの華やかなリゾートスタイルなどが思い浮かぶ。ただ、AMIRIの今回のコレクションには、もう少しアメリカ西海岸らしいリラックス感があるように感じる。パームスプリングスという土地を背景にしていることも、その印象につながっているのだろう。私はブランドを比較するとき、単に高級かどうかより、どんな服装を作りたいかを考える。色や柄を強く楽しみたいなら別のブランドが合うかもしれないし、素材の質感を中心に着こなしたいならAMIRIの今回の提案が気になる人もいるだろう。オンラインではアミリ コピーといった表記の商品も見かけるが、見た目が似ているだけで正規品と同じ編み方や糸の品質、耐久性を持つとは限らない。特にクロシェ編みは、細かな編み目の仕上がりや伸び方が着心地に影響する。私はこういう服なら、サイズ表だけでなく、実際の素材の感触やお手入れ方法まで確認したい。見た目の繊細さが魅力だからこそ、長くきれいに着るための条件も知っておきたい。
今回のコレクションを見て、最初はクロシェ編みのテニスドレスがいちばん気になった。けれど、何度か着こなしを想像しているうちに、少し考えが変わってきた。自分の普段の服装へ取り入れるなら、メンズのクロシェポロや、タオル地のクォータージップポロのほうが使いやすそうだ。どちらも素材に特徴がありながら、パンツとの組み合わせを大きく変えずに着られる。特にクロシェポロは、インナーの色を変えるだけで違う雰囲気を楽しめるかもしれない。ただし、透け感のある服を着ること自体が負担に感じるなら、無理に選ぶ必要はない。私は夏の服に、自由で軽やかな気分を求めている。着るたびに肌の見え方や素材の引っかかりを気にするなら、少し本末転倒だろう。リゾートウェアの魅力は、特別な場所に似合うことだけではないと思う。普段の生活の中で、いつもより少しだけ気持ちが軽くなること。AMIRIの2026年ハイサマーコレクションには、そのための選択肢がいくつかある。私は一着だけ、自分の夏に馴染むものを選んでみたい。